天使のような悪魔の笑顔で…

那智は、１０月からになります。
それまでは比呂人です。

６月もあるらしいんですが、私は出た事ないです。
ホントに見れるのかなぁ～？？
１０月
「━━遠く感じる」
「彼は目の前にいて
いつもと変わらず笑っているのに。
手を伸ばしても届かないような、そんな気がする」
「今さら、焦る必要なんてないって
わかっているけど。
いやな予感がするんだ」
「モヤモヤした思いに普通でいられなくて
アイツにあたって、心配かけてしまう」
「進路とか、勉強とか
大変な時期だってわかってる。
だから、少しでも力になってあげたいのに」
「わたし、いつからこんなに
不器用になっちゃったんだろう……」

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１１月
「わたしは１７才で
比呂人は１８才」
「たったひとつの年の差は
今のわたしにはすごく大きい」
「わたしもあと１年早く生まれればよかったのに
そしたら一緒にいろんなことを
話したり悩んだりできたかもしれないのに」
「何を考えているの？
わたしには、話せないことなの？
比呂人……」

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１２月
「ごめんね、比呂人。
わたし、ワガママばかりだ」
「なのにさ、嫌な顔もしないで
わたしの頭撫でたりして
優しすぎるよ」
「困らせたいわけじゃなくて
本当は応援したいのに
そんな風に言えない」
「あんまりわたしに優しくしないで
こんなにワガママなわたしに。
ごめんね、比呂人……」

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１月
「大好きな人の夢を
応援してあげられないわたしは
本当に彼を好きってことにならないのかな」
「アメリカなんて
あまりに遠すぎて」
「ずっとそばにいたいから
離れるなんてこと
ないって勝手に思ってきたから」
「キミはどうして
そんなに笑顔で応援してあげられるの？」
「わたし、そんなふうにできないよ。
比呂人……行っちゃやだよぉ……」

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２月
「色々あって、比呂人の留学はなくなって
アイツ絶対に傷ついてるはずなのに
わたしは声をかけてあげることもできなかった」
「毎日、比呂人に会う」
「家の近くで、学校の廊下で、校庭で
いつもと変わらない様子で
わたしの名前をよぶ」
「比呂人、ごめんね……」
「わたし、本当は喜んでる。
いなくならないことになって
ホッとしてるんだ」
「わたしは、最後まで比呂人を応援できなかった」

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３月
「わたしがオトナだったら
比呂人に笑って、いってらっしゃい、
がんばってねって、言えたのかな」
「最近の比呂人
ちょっぴり悲しそうな顔をする」
「どうしたの？　　って聞いても
なんでもないってごまかされる」
「いつになったら
わたしはそばにいけるんだろう」
「いつになったら
わたしはオトナになれるんだろう」